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「ぼくらの」の結末 原作とアニメの違い

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「ぼくらの」とは?


鬼頭莫宏さん原作の漫画「ぼくらの」をご存じでしょうか。


巨大ロボット・ジアースに乗って戦う、少年少女たちの運命を描いた問題作です。


鬼頭莫宏さんといえば、重苦しいストーリー(鬱)展開で有名な作家さん。

 

 


その他にも「なるたる」なども鬱展開の作品として有名です。

 

04年に月刊IKKIで連載が始まり、07年にはアニメ化されています。


実はこのアニメ版、原作とは展開や設定が違っていることはご存じでしょうか?

 

今回はこの人気(?)アニメのぼくらのの、原作とアニメの違いを挙げてみようとおもいます。

 

1.戦う順番が変化


原作版とアニメ版では、戦う順番が変わっています。

 

原作

①ワク

②コダマ

③ダイチ

④ナカマ

⑤カコ

⑥チズ

⑦モジ

⑧マキ

⑨キリエ

⑩コモ

⑪アンコ

⑫カンジ

⑬カナ

⑭マチ

⑮ウシロ

 

アニメ

①ワク

②コダマ

③カコ

④チズ

⑤ダイチ

⑥ナカマ

⑦モジ

⑧マキ

⑨キリエ

⑩アンコ

⑪コモ

⑫カンジ

⑬マチ

⑭ウシロ

原作と違って、アニメ版ではカコとチズのエピソードはダイチ戦の前に差し替えられているのですね。

また、アニメではカナが生き残るので、パイロットの数は原作より一人少なくなっています。

 

2.カコの死亡原因が違う


15人中、一番のお調子者であり、一番の臆病者として描かれていたカコ。

 

原作では戦闘中に錯乱。あまつさえ逃げ出そうとします。

 

そこをキリエに徴発され激昂。キリエを殴っている最中にチズに喉を切り裂かれ、失血死します。

 

アニメではパイロットに指名されたことにより、戦闘前に自暴自棄になります。

 

実際に対戦相手がやってきたことで、暴走ぐあいがさらにヒートアップ。

 

「もう自分は死ぬんだ。だったら好きなことをしてやる」とばかりに、チズをレ〇プしようとします。

 

しかし、チズの必死の抵抗にあい、そこで相手のぬいぐるみが暴れたことによって水族館が崩壊。それに巻きこまれて会えなく帰らぬ人となります。

 

なんでこんな風に変わったかというと……まぁやっぱり、中学生が中学生を刺し殺すなんて、フィクションの中とはいえ、マズいのではないかという制作側の配慮が働いたんでしょうねー。

 

しかし、原作とアニメ両方で悲惨な死に方をしたカコ、カワイソス(・ω・)

 

3、コモの父親の職業が違う


原作ではコモの父親は国防軍の偉いさんという設定でした。それがアニメでは国会議員に変わっています。

 

原作の方がシブい雰囲気が出て好きですね。

 

個人的には変える必要がなかったような……。

 

4、カンジの母親の設定が変化


原作では沖天楼の設計責任者だったというカンジの母親。

 

実は沖天楼は違法建築で、カンジの母親は沖天楼の建設中止を訴えていたが、圧力を受けてそれがかなわなかった。その心労がたたって、沖天楼から飛び降り自殺した、という設定でした。

 

それがアニメ版では沖天楼にある、認知工学研究所の教授という設定になっています。

 

アニメ後半では、その立場を活かした立ち回りを見せてくれます。

 

 

5、意味不明のヤクザ登場


実はぼくらののアニメ版、原作が好評価を得ているのに対照的に、ファンの間ではあまり好意的に受け止められていません。

 

理由は色々あるでしょうが、その理由の一つとしてあげられるのは、意味不明の改変でしょう。


冒頭で言ったように、このぼくらのと言う作品、原作とアニメでは、多少変更点があります。変更があるのは、他のアニメでもあることなので、別段どうということはないのかもしれません。

 

しかし、良い方向に変えてくれるならまだしも、悪い方向に変わってしまったのでは、原作ファンとしてはたまったものではありません。


そして、このぼくらのの変更といえば……残念ながら、悪い方向に変わってしまったとしか言いようがありません。


では、どこがどういう風に変わってしまったのか。

 

ウシロの母親の田中さんが昔、荒れていたという設定は良いと思います。実際、原作でもそういう設定になっていますからね。

 

雲行きが怪しくなってきたのは、田中の昔馴染みだというヤクザが出てきてからですね。


なんの脈絡もなく出てきて、30分間しゃべりっぱなし。他の登場人物のセリフも、ほとんどなかったように思います。


それでいて、ストーリー展開に必要だったかといえば…………はっきり言って、いてもいなくてもどっちでもいい、と言えます。


風貌や喋り方も、どこかコミカルで、ぼくらのの雰囲気に合っていないと思いました。


ストーリーが、重い展開なので、制作スタッフがコメディリリーフ的な役割を期待して投入したのかもしれませんが、はっきり言って失敗だと思います。

 

6、アニメ版ではカナが生き残る。


ウシロの妹のカナちゃん。原作版では果敢に戦って死ぬのですが、アニメではちゃっかり(?)生き残ります。


当然のことながら、原作とアニメでは発表にタイムラグがあります。


僕の記憶が確かならば、アニメが最終回を迎えてから、原作が終わったはずです(当然といえば当然ですが)。アニメでカナちゃんが助かったのを見て、原作でも助かると思いきや、実はパイロットとして契約していたとは……。

 

7、まとめ


さて、名作ぼくらのの原作とアニメ版の違いを列挙してみました。


よく鬼頭莫宏さんの作品は鬱作品だ、と言われていますが、僕はちょっと違うような気がします。

 

確かに鬼頭さんの漫画は暗い展開が多いです。


ぼくらのでも、パイロットたちは巨大ロボットジアースに乗せられ、正体不明の敵と命がけで戦わされます。はっきり言って、ストーリーはかなり重いです。

 

しかし、その裏にあるのは、絶望的な状況にありながらも、懸命に生きようとする登場人物たちの姿です。その姿に僕たち読者は心を打たれるのではないでしょうか。

 

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